ハクスラとは
ハクスラとはHack and Slashの略称で、Hack(切り刻む)and Slash(叩き斬る)を意味します。より強い敵と戦い、敵を殲滅すること自体を目的としたゲームプレイを指しており、元々はTRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」で使用されていた言葉です。
近年ではRPGやデジタルゲームでも、ハクスラが1つのジャンルとして扱われています。
典型例はRPG「ウィザードリィ」。ウィザードリィシリーズは敵を倒し、よりダンジョンの奥に入り、アイテムを集め、より強い敵を倒していくことが目的化しています。
対照的なのRPGはドラゴンクエストやファイナルファンタジーなど、シナリオ重視のRPGです。
今回はハクスラ寄りのフリーゲームを紹介します!
ASTLIBRA mini外伝
ASTLIBRA mini外伝は、敵を魔法と装備でなぎ倒しながらランダムダンジョンを突き進んでいく横スクロール型のハック&スラッシュ。
主人公のパン屋の娘は、姿を消したギルドのメンバーを探すため、言葉を話す犬「ポリン」に導かれて洞窟へと赴きます。
一介のパン屋の娘がギルドのメンバーを探すのは、彼女の妹のためでもあります。難病を抱えた妹の病気を抑えるには薬草が必要。しかし、薬草を取ってくることができるのはギルドのメンバーだけ。ギルドが姿を消したことで、妹の病気は進行し、主人公は一念発起して洞窟へと入っていく…というのが筋書きですが、ストーリーが進んでいくとこの一連の物語にもミステリーが仕掛けられていることがわかってきます。
ストーリー・音楽・グラフィックがいずれも高いレベルにあり、なおかつハクスラというのがASTLIBRA mini外伝の魅力でしょう。
なにせ主人公が洞窟に入っていく最初の時点で、装備はホウキ一本です。序盤はスライム一体を倒すのも厳しいくらい、ハードモードです。しかしだんだんレベルアップしてくると、ホウキ一本から進化して、魔法や剣を振り回した爽快なアクションが楽しめ、派手なエフェクトで敵を蹴散らすことができるようになります。
主人公の経験値は洞窟で戦闘を重ねるたびに上がっていきますが、街に戻るとリセットされるという仕様もよく考えられています。この仕様そのものがストーリーと深く絡んでいきます。
ちなみにASTLIBRA mini外伝には経験値の他に「スキル」という項目があり、洞窟に入ってもリセットされない形で主人公を強化するには「スキル」をアップしていくことで、真の意味で主人公を強化できます。
総プレイ時間の目安は20時間前後。ハクスラ要素・戦闘・グラフィック・音楽がフリーゲームで本作ほどバランスが取れていて、なおかつストーリーも骨太な作品はなかなかないでしょう。また深く考えなくとも、魔法で敵をボコボコにするだけでも爽快です。
イニシエダンジョン
ハック&スラッシュのフリーゲームRPGがイニシエダンジョン。アルメナンド城地下の伝説の秘宝「不老不死の水」を手に入れるため、主人公はダンジョンの奥深くに潜っていきます。
イニシエダンジョンはローグライクゲームでもあり「敵に殺されたキャラクターは二度と復活できない」というシビアさを持っています。
ゲーム序盤は特に少数精鋭で敵に挑むため、緊張感や死の恐怖と隣り合わせ。
そしてゲームが進んでくるとパーティーは数十名規模に膨れ上がるため、パーティーメンバーの死を防ぐには「メンバーが今どこにいるのか」を常に把握するRTSやタワーディフェンスのような要素が加わってきます。もちろんプレイスタイルにもよりますが「数十名いるなら数名の犠牲は仕方ない」とひたすら突き進んでいくプレイもできます。
ミスティエッグ
ミスティエッグはRPGツクールVXで制作されたフリーゲームのハクスラ風RPGです。記憶喪失になった主人公が夜の明けない街・エンジェローズを拠点に冒険します。
ゲームはひたすら「ダンジョンの奥へと潜っていくもの」で、とにかくシンプルにダンジョンを進み強い敵を倒し、装備を強化して、またさらに奥へと進んでいきます。
牢獄伝説
ウィザードリィを彷彿とさせる硬派なハクスラが「牢獄伝説」。
ウィザードリィをベースに、ローグライクとディアボロを取り入れたゲーム性で、舞台は全16階の地下牢獄から魔物が湧き出した世界。空は暗黒が包み込み、主人公は故郷を救うために地下牢獄へと足を踏み入れます。
ストーリー性は薄めで、基本的にはダンジョンの深くへと進みながら敵を倒しつつアイテムを生成していく・・・という流れの繰り返しです。
ただしアイテム生成1つにも緊張感があります。宝箱には罠がしばしば仕掛けられており、罠にかかるとHPダメージを受けたり、状態異常に陥ったりします。その上、回復手段は少なめ。「このままのアイテムでは後半苦戦するに違いないが、罠にかかると命を落とすので、宝箱を開けずに先に進む」と行った状況判断を求められ、なおかつそうして対面する敵が強い・・・というゲームです。
「これぞハクスラ」というゲームをやりたい方にオススメです。
JASIN
RPGツクールXPで制作されたウィザードリィ風ハクスラ系RPGで、退廃的な雰囲気やダンジョンの闇に吸い込まれるような雰囲気、そして重厚なテキストが魅力のタイトルが「JASIN」。
JASINは2001年にリリースされた「真・女神転生」岡田耕始氏が、ウィザードリィシリーズを独自に再解釈して発表したRPG「BUSIN」にインスパイアされたタイトルです。ただのBUSINコピーに止まらず、フリーゲームとは思えない3D表現の美しさやダンジョンの緊張感は特筆すべきポイント。
主人公は記憶を失った冒険者で、街の人々からクエストを請け負い、生計を立てていきます。
標準プレイ時間は16時間ほど。
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